工房だより

箪笥職人が工房からお届けします

  • こんにちは、工房だよりです。

    消費増税前のかけこみ?も終了したようで、
    ここ岸和田の桐箪笥工房も次第に落ち着きを
    取り戻してきました。

    桐工房 (3)

    年明けからバタバタとしていましたが、
    気が付けば、春ですね。

    工房の中を見渡してみると、
    気が付けば、材料の山、山。

    桐工房 (2)

    忙しいと、ついつい片付けもおろそかになりがち、
    足の踏み場も無いことも…。
    桐工房 (1)

    いい材料を選別し、
    適材適所切り分けていかなければなりません。

    桐工房

    これからの春日和のなかでの作業です。

    桐工房 (4)

    きれいな仕事はきれいな仕事場からですね。

  • こんにちは。

    工房よりお伝えいたします。

    2月に入り、非常に寒い日が続いておりますが、ここ岸和田の桐たんす工房は、汗ばむほどの?熱気、いや活気があります。消費税増税などの影響もあるのかもしれませんが、お客様に感謝、ありがたいことです。

    今日かかって明日に出来あがる物ではありませんし、
    職人の手も限られております。

    こだわりの桐材でこだわりの技でひとつひとつ
    丁寧にお造りさせていただいております。

    完成のお待ちのお客様ご覧になられておりましたら、
    もう暫しお待ちくださいますようお願い申し上げます。

    さて、 そんな中、
    国産桐材が入ってきました。

    国産桐

    今回は岩手県産桐材です。

    国産桐

    トラックから、一枚一枚“ダテ“と呼ばれる
    干し場に立てかけていきます。

    国産桐

    国産桐材は、節などのキズが多いんですが、

    いい物は、なんともいえないやわらかい木目があります。

    国産桐

    これから、雨にさらし、ホースで水を撒き、
    また、板をひっくり返して、雨にさらして、水を撒き。
    またさらに板をひっくり返して……。
    1年以上かけて、下の写真のように白銀色になるまで、
    アク抜きをします。

    国産桐 (1)

    さて、今月入荷した桐材が、使えるようになる1年先は
    今のように忙しい
    工房のなのかどうか気になるところではありますが、

    こだわりの桐たんす造りだけは変わりません!

  • こんにちわ。工房だよりです。

    今回は、前々回の「桐たんすの精巧なる図面」
    その続編と言いましょうか、
    あの図面を受け取った職人は、
    実際にどう進めるのかのお話をさせていただきます。

     

    図面 (1)

    そうです!このラフな図面を渡されて、
    職人がまず第一にすることが、

     

    杖を作ることです。
    これです。

    tue-1

    うちでは、職人言葉で、“つえをもる” と言います。

    tue-2

    木の棒にたんすの縦方向の動きを書き出す。作業です。

    実際に完成したたんすの横に持ってくるとこんな感じです。

    地割地割ー2

    引出し、タナ、引出し、タナ、引出し、天板と

    この杖を元に、木取りの作業などでは、
    背板、や胴板などの各部材が実際とれだけの長さ必要かが
    分かるようになるわけです!

    また、木地作りの作業では、たんすに重ね目のある場合、
    ここで切断すると言うことも、この杖が基準となります。

    切断

    同じたんすのように見えても、
    台輪や引出しの深さ高さが違っていたりするので。

    たんすを作る初期の作業において、あらゆる基準となり、
    この杖は欠かせない物です。

    この杖を保存しておけば、1年後、5年後となっても
    同じ物が出来るということになります。

    ですので結構、杖がたまっってきます。
    何十年も前の杖も残っています。
    古い物を見つけるとしばし見入ってしまうことも…。

    杖
    こんなんも作ってたんやー、と。歴史を感じます。
    杖-2

    あと、うちでは、つえ と呼びますが、工房によっては、
    盛り付け棒、ばか棒などと呼び方もさまざまあるようです。
    大工さんも使うみたいですし、家の杖、一度見たいものです。

    その辺も興味深いところですね。

    最後、少し話しそれましたが、

    職人は、杖がないと前に進めない、というお話でした。

  • 伝統工芸士 粟田秀男が経済産業大臣表彰を頂きました。

    表彰状

    銀杯

    副賞は、内閣の紋章「七五桐」が入った立派な銀杯でした。

     

    15歳で田中家具製作所に修行に入り、
    当工房で桐たんす一筋、60年!御歳76!!
    先代、先先代と三代にわたって、田中家具製作所の
    桐たんす造りを支えてきてくれています。

    その表彰式が、去る、11月1日金曜日、
    和歌山県市民会館において開催された、
    第30回伝統的工芸品月間国民会議全国大会で行われました。

    全国大会

    表彰式当日は、茂木大臣は欠席のため副大臣の松島みどり先生より、
    表彰状が手渡されました。

    表彰

    このような表彰式などあまり経験のない粟田さん、
    壇上から降りてくるなり「緊張して、あかんかったなぁ」と、つぶやいておりました。

    伝統工芸士大会

    これを書いていて、思ったのですが、
    ぴしっとスーツを着た粟田さんと表彰状の
    当日の記念写真を撮るのを忘れていました。

     

    代わりに、
    今日の粟田さんです。

    今日もせっせと「木取り」の作業。
    粟田さん

    毎日、毎日、桐箪笥一筋、60年、脱帽です。
    なかなか出来ることではありません。

    我々、若い者もがんばりましょう!
    いや、
    がんばります!!

  • こんにちは、工房だよりです。

    桐たんすと言えば、やはり、引き出しを入れると
    もう片方の引出しが

    スー と音もなく出てくる。
    に象徴される。
    寸分の狂いもない精密なイメージ…。

    実際の工房での作業も、ミリ単位での御注文、
    ミクロン単位での引出しや扉の仕込みを日々こなしています。

    今回は、そんな桐箪笥を作る際の“設計図”と言いましょうか、
    工房内で言う“図面”のお話です。

     

     

     

     実際にうちの工房で職人に渡される図面です。

    まずは御覧ください。

     

     

     

    図面

    図面 (1)

    図面 (2)

    !!!。

    さぞや、精密にミリ単位で数字が、書き込まれているであろう、
    と思いきや!
    かなり “雑” と言えるほど、
    簡単な図面なんです。

    この図面で出来た桐箪笥が、こちら。

    桐たんす-1

    桐たんす-2

    当然ですが、美しい初音の桐たんすが見事!完成してます。

    他のいわゆる木工所で家具を作られている職人さんに
    この図面を見てもらったことがあるのですが、
    「なんで、この図面でこれだけの物が作れるのか?わからない!」
    とびっくりされていたほどです。

    桐たんす職人に桐たんすの設計図はありません。
    精密な図面は職人の頭の中にあるのです。

    これもまた、伝統の中で培われてきた、
    不思議な?職人技なのかもしれません。

  • 芯材

    問題です。
    これはいったいなんだと思いますか?
    桐のすのこ?フローリング材?まな板?・・・。

     

     

    正解は、桐たんすの開き戸の芯(シン)材なんです。
    工房では、戸芯(トーシン)と呼んでいます。

    IMG_2054

    桐扉-1

    桐たんすの開き戸と言えば、あの美しい柾目のイメージですが、
    なんと、この芯材にオモテとウラ2枚の美しい面材がはられています。

    桐たんす-1

    桐タンスが完成したら、
    本当に見えなくなる部材なんです。

    よーく御覧ください! 伝統の技と知恵が見えてきます。
    桐たんす扉

    木目の方向が、タテ、ヨコ、タテタテ、ヨコヨコ、と
    いろいろな向きになっているのが、ご覧いただけると思います。

    そう、扉の反りや歪みを防止するためです。
    大きなキズや節のある物や、クセのある桐材は
    使いません!


    この戸芯造りは、まず、タテ、ヨコの元となる板を作り、
    それをまた、直角方向にバラバラに切断するというようなことを何度も繰り返します。

    扉の長さが、1メートル以上ある、大きな扉には、あらかじめ
    兆番を取り付けるところに

    桐より硬く、粘りのあるホオの木を埋め木を施す場合もあります。
    ホオの埋め木

    なんと!
    タンス一棹、2枚の扉を造るのに8枚の板をつくる。

    その手間を惜しんでいたのでは、本当によい桐たんすは語れませんね。


  • 来週の6月26日(水)から7月2日(火)まで大阪梅田、阪神百貨店8階催事場において、

    「浪花の技と大阪ええもんバザール」が開催されます。

    浪花の技

    これは毎年この時期開催されているイベントで、大阪の伝統工芸品、仏壇、欄間、唐木指物、包丁、線香、蜻蛉玉、などなど、今年は35店が出展され、

    職人と直接話をしながら、

    買い物が出来る催しとなっております。

    昨年の様子

    今年は残念ながら、販売ブースには初音の桐箪笥の商品は
    出品しておりませんが、

    桐箱作り体験コーナーの先生役
    当工房の職人達も連日参加しています。

    ぜひお声かけください!

    他にも、唐木のお箸づくりの体験、仏壇の体験?などもありますので、

    6月26日(水)から7月2日(火)までの7日間です。
    ぜひご来場ください。

  • 今回は、桐たんすを作る際に使用する道具のお話を。
    鉋-i

    見習い時代、父親に言われた言葉があります。

    「おまえが、仕事するんと違う。道具が仕事するんや!」

    これは、見習いの時代に鉋で桐の木を削っているとき、自分の鉋の
    手入れが行き届いていなかったがために、いくらやってもうまく削れず、
    悪戦苦闘していたときに投げかけられた言葉です。
    そして、鉋の台(鉋の木の部分)を調整するように言われ、言われるように
    調整すると、スルスルと鉋クズが出てきて驚いたものです。

    道具の調整、大切に使う事の重要性に気付いた瞬間でした。

    こうして何年も何十年も、大切に使われていく道具たち、
    職人たちをも魅了する一種独特な美しさがあります。
    鑿

    桐たんすのホゾ作りには欠かせない鑿(ノミ)です。右はほとんど新品、
    左は、15年位使用。

    続いて、鉋(カンナ)です。鉋は本当に奥の深い道具です。
    鉋

    右は私が父親から引き継いだものです。
    カンナの刃をはずしてみましょう。
    鉋刃

    こうしてスリ減って行くことを職人言葉で、“ちびる”と言います。

    続いて、胴付き鋸(平たく言うとのこぎり)です。
    胴突鋸

    2本ののこぎりの“はば”をご覧ください。
    目立て、切り替え、と呼ばれるメンテナンスを行います。
    右側、父親の使用していた方は、刃の幅がちびってますね。

    とまあ、まだまだご紹介したい、道具はたくさんあるんですけど、
    あまりマニアックな内容になってもどうかと思いますので、
    また次回と言うことで。

    職人の世界には、こういう言葉があります。

    「職人の腕前は、その職人の道具を見ればわかる」

    この言葉に、首を横に振る職人はいないでしょう。

  • こんにちは。

    桜も終わりすっかり、春らんまん。と言った感じですが、
    ここ岸和田の工房も少し体を動かすと、汗ばむくらいになってきました。

    さて、今回は、たんすの構造についての

    “こだわり”ご紹介したいと思います。

    初音の家具では、職人ひとり一人が、一つのたんすを責任を持って手作りで組上げて行きます。
    道具鑿

    鑿(のみ)、鉋(かんな)、鋸(のこぎり)、などなど、
    ごらんの様な手道具を使って、板と板とを組立てるための“ほぞ”を作っていきます。

    アリ組み

    ご覧ください!!

    (さらに…)

  • 2月28日(木)→3月6日(水)まで

    近鉄百貨店阿倍野店  9階近鉄アート館にて

    『凄腕職人街』が開催されます。

    午前10時~午後8時(最終日は午後4時で閉館)

    『職人街』と言うくらいですから、工房から専務の伝統工芸士 田中美志樹
    実演の担当でベテラン伝統工芸士、藤原、そして私、粟田の3人で

    初音の家具、大阪泉州桐箪笥の良さをお伝えに参ります!

    昨年の様子 昨年の様子

     

    (さらに…)

  • こんにちわ。工房だよりです。

    大寒も過ぎ、寒い日が続きますね。
    当然ですが、ここ岸和田の工房も寒いです。

    ストーブや火の気が恋しくなるこの季節。
    今日は、とてもヌクヌクの作業のご紹介です。

    その名も「あぶりもん」です。
    あぶり.3
    ちょっと恐ろしい名前ですが、
    火の力で桐材の反りやいがみを直していく作業です。

    写真のように火であぶってすぐに、ぎゅーっと、反りを直していきます。
    あぶり.4

    (さらに…)

  • 工房だよりです。

    みなさん、朝日放送「一志相伝」と言う番組をご存知ですか?

    毎週月曜日、夜の8時54分から放送されている1分30秒の番組で、
    職人の「親子」を取り上げ、
    親と子の心の内をあぶりだす!と言う番組です。

    実は、私はこの話をいただくまで知りませんでした、が、
    今回、どういうご縁か、私、粟田敏幸、と父の粟田秀男が取り上げていただく事になり、
    昨日、その撮影がありました。
    一志相伝2
    朝の9時から、夕方の5時までミッチリ桐箪笥の作業と親と子の思いを語らせていただきました。
    一志相伝1

    (さらに…)

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