箪笥職人が工房からお届けします
こんにちは、工房だよりです。
桐たんすと言えば、やはり、引き出しを入れると
もう片方の引出しが
スー と音もなく出てくる。
に象徴される。
寸分の狂いもない精密なイメージ…。
実際の工房での作業も、ミリ単位での御注文、
ミクロン単位での引出しや扉の仕込みを日々こなしています。
今回は、そんな桐箪笥を作る際の“設計図”と言いましょうか、
工房内で言う“図面”のお話です。
実際にうちの工房で職人に渡される図面です。
まずは御覧ください。
!!!。
さぞや、精密にミリ単位で数字が、書き込まれているであろう、
と思いきや!
かなり “雑” と言えるほど、
簡単な図面なんです。
この図面で出来た桐箪笥が、こちら。
当然ですが、美しい初音の桐たんすが見事!完成してます。
他のいわゆる木工所で家具を作られている職人さんに
この図面を見てもらったことがあるのですが、
「なんで、この図面でこれだけの物が作れるのか?わからない!」
とびっくりされていたほどです。
桐たんす職人に桐たんすの設計図はありません。
精密な図面は職人の頭の中にあるのです。
これもまた、伝統の中で培われてきた、
不思議な?職人技なのかもしれません。