納品事例 Works

豊中市のK様の依頼の桐箪笥洗い修理の納品事例です。

K様より依頼がございまして、お婆さんの桐箪笥を見に行かせていただきました。歴史ある古い旧家に置かれていました。価値あるものなのか?そうではないのか?よくご相談をいただきます。
早速見に伺いました。古くて傷み具合は相当なものです。しかし洗い修理するには、価値のある桐箪笥です。かなり費用はかかりますが、K様がどうしてもちゃんとした工房で手直しして欲しいとの事で、承りました。その桐たんすが下記のたんすです。

桐箪笥の洗い前の小袖写真

かなり状態が悪いです。人間でいうと重症の患者さんです。桐の専門家が判断しないと、普通は捨てられる運命の桐たんすです。でもK様の思いが私に伝わったのでなんとかしますね。

傷も深くてお婆さんが愛用していた痕跡が残されています。棚もへこみや欠けがあって大変な作業です。

桐箪笥の洗い前の小袖写真の拡大図

お婆ちゃんが元気な時は、かなりお使いしていただいていたのでしょう。これほど使っていただいていたのだと思うと逆に嬉しくなります。

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天板にも生活感が表れています。ところどころに水の後があります。

桐箪笥の洗い前の小袖写真の天板

鍵座には、有馬家割桐の高尚な鍵座が付いています。おばあ様の出所のお家が想像できますね。

桐箪笥の洗い前の小袖の有馬割桐の鍵座

引出しを抜かせていただきますと、

桐箪笥の洗い前の小袖の引出しを抜いた写真

棚に粋な判子が押してあります。鶴

桐箪笥の洗い前の小袖の箪笥の判子

桐箪笥の洗い前の小袖の箪笥の判子 雪

花と言うように、すべての棚に綺麗な言葉の判子が押しています。この桐箪笥をお作りした工房がいかにオシャレ心を持った工房であったかが想像されます。

桐箪笥は気密性や防湿性が高い箪笥で手作りでお作りするため、1つ1つの引出しに目印を付けています。その目印が合わないとその場所に引出しが入らないのです。

これも桐箪笥ならではの、凄い技術なのです。

桐箪笥の洗い前の小袖の箪笥の判子 花

この写真は、引出しの底に押されている 鶴の判子です。先ほどの鶴の箇所にこの鶴の引出ししかはめる事ができません。桐箪笥は、凄い箪笥でしょう。

桐箪笥の洗い前の小袖の箪笥の判子 鶴

引出しを判子に合わせて入れて工房へ持ち帰らせていただきます。

桐箪笥の洗い前の小袖の箪笥の斜め写真

桐箪笥の洗い修理には、3から5ヶ月かかります。丁寧に丁寧になおさせていただくのが、
私どものこだわりの桐箪笥の洗い替えです。 弊社以上の洗い修理が出来る工房はないと自負しています。職人や私どもの桐箪笥にたいする熱い思いが他社とは違うからなのです。

桐箪笥の洗い前の小袖の箪笥の正面写真

この桐箪笥がこのように、甦りました。出来上がって倉庫で納品前の記念写真です。
信じられないでしょう?同じ桐箪笥なんですよ。新品の小袖箪笥でしょう。

桐箪笥の洗い修理後の小袖の箪笥の正面写真

あの深い傷や傷みが信じられないほど丁寧に美しく洗い修理しています。
鍵座の有馬家割桐も汚れを丁寧に落として再メッキさせていただいています。

桐箪笥の洗い修理後の小袖の箪笥の拡大写真

あの修理前には、あまりわからなかった本体の紫檀も美しく手直ししました。

桐箪笥の洗い修理後の小袖の箪笥の斜め写真

新品の桐箪笥と言っても過言ではないでしょう。これが大阪泉州桐箪笥 初音の家具の桐箪笥の洗い修理なのです。

桐箪笥の洗い修理後の小袖の箪笥の斜め写真 2

背中も側面も綺麗にさせていただきました。棒通し金具は取り替えさせていただいています。

桐箪笥の洗い修理後の小袖の箪笥の後ろ斜め写真 

引出し内部の桐の割れにも丁寧に桐の入れ木を施します。(少し白くなっている部分です。)

桐箪笥の洗い修理後の小袖の箪笥引出し内部写真 

さすがに弊社の職人は凄いでしょう。言葉で言うのは簡単ですが、なかなか簡単に出来る技術ではないのです。実際の作業は地味な作業で根気のいる仕事なのです。

桐箪笥の洗い修理後の小袖の箪笥斜め右写真 

この古い桐箪笥を制作された時のような輝きをもった桐箪笥に戻してあげれる事が私どもの想いなんです。
修理費用をいただいていますが、ある意味お金じゃないこだわりの思いがここにあるのです。

桐箪笥の洗い修理後の小袖の箪笥正面写真 2

私どもに相談いただけなかったら、捨てられていた桐箪笥が、このように綺麗になります。

昔の日本人の桐の箪笥に対する想い(ずっと何百年使えて大切に出来る)を受け継がなければなりません。またその心がお客様の心の中にさえあれば、このように甦らす事ができます。

私どもは小さな工房でも、その仕事を出来るこだわりの職人集団の桐箪笥屋でありたいのです。

K様のマンションにお届けさせていただきました。

桐箪笥の洗い修理後の小袖の箪笥納品写真

すごく感動していただき喜ばれて、感謝のお言葉も賜りました。ありがたく思える瞬間です。
本当は、納品は職人と伺いたいのですが、工房での仕事があるので、私が職人にお客様の感謝の言葉をお伝えしています。

桐箪笥の洗い修理後の小袖の箪笥納品写真 2

お部屋に入れていただきますとより一層桐たんすと良さが引き立ちました。

桐箪笥の洗い修理後の小袖の箪笥納品写真 3

K様 弊社にご依頼していただきまして、ありがとうございました。
お陰様でまた昔のいい桐箪笥を甦らす事が出来ました。
本物の桐箪笥はこの様に洗い修理が出来ます。

今 本物の桐箪笥が少なくなってきています。手直し出来ないまがいものの桐たんすが堂々と販売されています。消費者の方はもっともっと賢くなって欲しいです。

中国 上海で作られた桐箪笥が国産表示で販売されていたり、価格の高い桐箪笥であっても中国桐材の無垢や貼りあわせの桐材料が使われてあったり、組手も機械でお作りする時代です。そのような桐箪笥を判断できるようにもっと桐箪笥を勉強して下さい。分からなければその道の専門店に相談ください。桐箪笥の事ならなんなりとご相談くださいね。

今 洗いのご依頼が沢山ございます。工房からは、納品事例を控えるように言われていますが、この思いをお伝えしたくてまた掲載させていただきました。この匠の技術があるからこそ今まで長く95年続けてこれたのです。

桐箪笥専門のこだわりの工房の桐たんすの洗い修理の納品事例のご紹介でした。

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