桐はなぜ軽いのか
桐の箱や、まな板、材料などを持ったお客さまから、
「すごく軽いですね!」と驚かれることがよくあります。

見た目はしっかりしているのに、持ってみると想像以上に軽い。
初めて桐に触れた方は、皆さんびっくりされます。
桐が軽い理由は、木の構造にあります。
桐の木の中は、例えて言えばスポンジのような構造になっています。
細かな空洞をたくさん含んでいるため、とても軽い木なんです。

そして、この構造が桐ならではの特徴につながっています。
例えば、熱に強いこと。
空気の層が多いため、外の熱が中まで伝わりにくいのです。
また、木の動きが比較的穏やかで、狂いが少ない。
昔から箪笥の材料として使われてきたのも、そうした理由があります。
ただ、桐は軽くて柔らかい木です。
だからこそ、箪笥としてしっかり使えるように組み上げなければなりません。

柔らかい木というのは、実はごまかしが効きません。
刃物の切れ味が悪いと木がつぶれてしまいますし、
組手加工のような細かな仕事ほど、精度がはっきり出ます。
そのため、桐箪笥には、よく切れる刃物と精密な加工技術が欠かせません。
軽く、柔らかい木だからこそ難しい。
桐箪笥作りは、どの場面を取っても職人の熟練が要る仕事なんです。

だから私は、桐という木は、
職人の腕がよく出る材料だと思っています。








