もう割れないように、割る!
こんにちは!
職人の粟田です!

寒い日が続く工房では、たくさんの洗い替えや修理のご依頼に向き合う毎日です。

ふと見ると、ストーブのまわりを囲んでいるのは人ではなく「引出し」。

これは、底板をしっかり乾燥させ、あえて収縮させて“割る”ため。
洗い修理において、割れの補修はとても重要な工程です。
もう割れないように、先に割ってあげる。
収縮によるストレスを、ここでしっかり発散させます。

十分に割れたら、次は修理です。

割れた部分をのこぎりでまっすぐ整え、
このように、まっすぐな桐材を埋め込みます。



写真を見ても、
「どこが割れていたの?」
と思われるかもしれません。
それくらい、修理の跡は目立たなくなります。

before

after
昔は「ハギ」と呼ばれる三角の木をクサビのように打ち込む方法が主流でしたが、
(今でも状態によっては、そのやり方で修理することもあります)
それでは点での接着となり、強度に限界がありました。
この方法は面と面でしっかりと接着でき、
強度としても十分だと考えています。
修業時代は、洗いに時間をかけると笑われた時代もありました。
けれど今、洗い替えや修理の技術は、年々確実に良くなっています。
自分の作った箪笥や、他の職人が作った桐箪笥が
何十年も経って里帰りしてくる。
その傷み方を見て、技はまた磨かれていきます。
パッと見では分からない仕事の積み重ね。
だからこそ、桐箪笥はすごいのです。








