気合の入った大仕事
こんにちは!
大阪泉州岸和田の桐たんす工房だより
職人の粟田です!
30年の職人生活の中でも、
ひときわ大きな桐箱を
作らせていただきました。
長さ約4メートル、幅約1メートル。
だんじりの装飾品を納めるための特注の大型桐箱です。
まさに【町の宝物】を守るための箱。

特注桐箱のための桐材
アリ組でがっちりと組上げます。
じつは、このご依頼、施主である自治体の方から
「箱の中を三層構造にしてそれぞれの飾り物を分けて収納できるように」
とのご要望があり、サイズだけでなく、
収納方法まで細かく指定されていたため、
見えない所でかなり頭を使いました。

三層構造で納める町の宝物
収納と取り出しやすさを両立させた設計です。
指定されたサイズや、
取り出しやすさなどを考慮しながら、
三層それぞれに無駄の無いよう構造を設計。
限られた空間に美しく納めるのは
パズルを解くような感覚です。

隠れた工夫で収納力アップ

中段の板も、寸分違わぬ仕込み
もちろん材料には厚みのある質の良い桐材を使用。
まさに桐は宝物をしまうには理想的な素材です。
組み立ては「アリ組み」という
伝統の工法、木と木をかみ合わせて
がっちりと組むこの技法は、
高い強度を保ち、
見た目も美しく仕上がります。

ずれも隙間も許されない。
技術の結晶が、この一角に詰まっています。

これぞ桐たんす職人の腕の見せ所
箱が大きすぎて、工房では組み立てにくく、
屋外での作業になりました。
風や天気に気を付けながら、
慎重に組上げていくのはなかなかスリリング。
一つ一つのパーツにいたるまで
納得いくまで仕上げました。
私自身、だんじり祭りに参加していることもあり、
この仕事は自然と熱が入りました。
町の誇りを納める箱を自分の手で仕上げる。
こうゆう、気持ちの入る仕事をまたひとつやれたことに感謝です。

職人史上最大の箱!
これだけのサイズとクオリティーで、
桐でここまでやれる工房
日本中探してもらっても
なかなか無いんちゃうかなと思います。
またこんな仕事、やりたいですね。
「桐でこんなん出来る?」
というご相談、お気軽にどうぞ!