工房だより

箪笥職人が工房からお届けします

  • 早いもので、気が付けば、はや7月。
    梅雨真っ盛り、といった感じですね。
    桐の木も湿気の影響で、膨張して
    仕事には不向きな季節。

    雨の日は、道具の手入れをすることが多いもの…。


    ということで、今回はこだわりの桐たんす職人を支える。
    こだわりの金物店(道具屋さん)のご紹介です。

     

    久川金物店さん!

    久川金物 (5)

    久川金物 (6)

    昭和10年の創業で今年で創業80年!

    久川金物 (2)

    昔の看板に歴史を感じさせますねぇ。
    もちろん、私どもとも長いお付き合いです。

    久川金物 (21)

    久川金物 (19)

    久川金物 (23)

    久川金物 (26)

    久川金物 (25)

    店内には、所せましと道具がずらり!
    かんな、のみ、のこぎり、などなど

    久川金物 (14)

    久川金物 (15)

    こちらは、左官屋さんの使うコテ、中でも「四国高松山西鏝」は
    取り扱っているお店があまりないので職人さんが遠方より買いに来られるとか。

    この鉋のお値段見えますかね、えーっと
    いちじゅうひゃくせんまんえーーー。

    久川金物 (22)

    かれこれ20年前になりますが、入社してすぐ、
    当時の社長に金物屋さんに連れられて来て、
    私が一番びっくりしたのは、
    本物の道具の値段はさることながら、
    「道具(金物)とその柄を別に売っている」、ということでした。
    どういう事か?

    のこぎりの刃と

    久川金物 (9)

    のこぎりの柄

    久川金物 (10)

    金槌の頭と

    久川金物 (17)

    金槌の柄

    久川金物 (7)

    ノミの柄だけ

    久川金物 (11)

    はたまた鉋の台だけ

    久川金物 (12)

    なぜこんな半製品を売っているのか
    20年前は、さっぱり判りませんでしたが、
    今の私はわかります!

    久川金物 (4)

    3代目の久川孝之さんいわく
    「うちのお客様は柄のついた普通の道具では納得されません。」

    そう、私もその一人になっています。

    柄、つまり職人が手でつかむところは、
    実際に木を削る刃(金物)と職人の意志をつないでくれる
    大切な部分なんです!

    ここから先は、専門的かつ長くなりますので。

    今回はこの辺にして、道具の続編は、また次回ということで。
    こだわりの金物屋さんのご紹介でした。

    久川金物店さんのホームページ

  • こんにちは、工房だよりです。

    昨日、6月4日、NHK総合の夕方のニュース番組
    ニュースほっと関西という番組の中で
    工房からの生中継がありました!

    NHK (2)

    NHK (6)

    NHK (4)

    中継車、大掛かりな設備、カメラ
    たくさんのスタッフさんたち。
    工房の中も人でいっぱいに。

    いざ、本番。
    NHK

    社長のインタビューで無事終了。

    NHK (5)

    あっ!という間の5分でした。

    一人でも多くの方に

    「桐たんすの最高峰 大阪泉州桐箪笥」

    知っていただけますように。

  • 大阪岸和田の初音の桐たんす工房。

    工房だよりです。

    約2年前の工房だより、

    、「伝統工芸士、粟田秀男が経済産業大臣表彰を受賞しました。」でもご紹介しました工房一のベテラン職人、粟田秀男さん。

    粟田さん
    社内では、「ひでさん」と呼ばれ親しまれています。

    御年78歳! この道62年!!

    近年は週3日ほど出勤してもらっておりましたが、さすがに最近は足腰も弱くなり、実は、昨年末で退職されています。

     が、今でもたまに工房に顔を見せに来てくれます。
    しかも、最近は気候がよくなったせいか、よく来てくれます。

     秀さんの自宅は歩いても来れる距離にあります。

    P1050282

    が、自転車で登場です。

    「やってるか~」の声で入ってきます。

    P1050287

    で、定位置のイスにちょこん。
    「テレビの守りしちゃあーてもシャーないわ」←岸和田弁

    とポツリ。

     あと、なんと工房にはこの春から2人の新人が職人見習いとして入社してくれています!

    P1050270

    秀さん、この2人にも興味津々です。
    はじめは、黙って見ていたのですが、黙っていられません。

    新人指導

    「ちゃうちゃう、これをこないして、シューっと」

    直接指導が入ります。

    今にも鉋を持ち出してシューっと実演の勢いです(汗)

    新人指導

    ひとしきり、説明したら私のほうを向いて、

     秀さん:「指導者はだれや」とニヤリ。

    私:「ハイ、ちゃんと指導しときます」

     私:「新人になんか一言、言うちゃって!」

    秀さん:「んー…。わからん事あったら、何でも聞いたらええ。
    何でも聞いたらええんや!」

    さすが、大ベテラン、いい一言を言ってくれました。

    人に何かを教わるときって聞きにくいものです。
    怒られるんじゃないかとか、
    そんな事も知らんのかと思われるとか…。

    時には自分のプライドが邪魔したり...。
    いろいろ考えてしまいますよねぇ~。

    対して、

    教える側、つまり聞かれる私もそう。
    切羽詰まった時だけじゃなく細かなことでも積極的に聞ける
    なんでも聞ける、聞きやすい雰囲気も心がけておかないといけませんね。

    日々、自分の至らなさ、未熟さに反省をしております。

     新人の為に言ってもらった一言のはずが、
    なぜか私の胸に突き刺さってきました。

     深イイ言葉を残していったあとは、

    P1050292
    「やってるか~」っと、各所を巡回です。

    新人指導

    一通り巡回が終了したら、
    またくるわよ―。」
    で帰って行きました。

     またくるわー


    秀さん、いつまでもご元気で、ご指導のほど、

    よろしくお願いいたします!!

     

  • 大阪泉州岸和田の初音の桐たんす工房
    職人の粟田です。

     春も近づき、目や鼻がジュクジュクされている方も多いと思いますが、

    わたくし、最近、目のほうが...。

    いや、一年くらい前から...。

    細かいコシライ仕事をしていると。

    シラガキの線が...。

    灯り (2)

    ん!?

    おっ!?

    ノミの刃先と毛引きの線が。

    灯り (21)

    んー、よしっや!!

    でも、なんか変な感じ...。

     もしかして !?来た ?

     百均で老眼鏡の一番軽いのを掛けてみたとき
    見える!!の衝撃!
    信じたくないその衝撃にそっとその老眼鏡を棚に返しました。

     目には自信があった私。
    小学校の時からずっと視力は余裕の2,0でした。
    そういう人は早いらしいですね。

     しかし、そうは言ってはいられません。
    きっちりと仕事はこなさなければなりません。

     そこで!


    構想半年、工期1時間、総工費0円の助っ人の登場です。

    灯り (12)

    特製電気スタンド!

    灯り (14)

    60型蛍光灯とフレキシブルな蛍光灯の2灯で手元を明るく照らします。

    灯り (5)

    キャスター付でどこにでも移動できます。

    こんな感じで使っています。

    灯り (7)

    灯り (9)

    灯り (20)

    灯り (23)

     本体蛍光灯の裏側は、

    灯り (17)

    灯り (16)

    細かい作業の時だけではなく材料を一枚一枚鉋でピカピカに仕上げる

    「削りもん」の作業の時にも鉋を掛けておけるようにもしてあます。

    灯り (18)

    また、本体に棚を作って、ちょっとした道具も置けるように
    してあるのがポイントです。

     灯り (6)

    鉛筆やぺん、小道具が並びます。

    可愛らしいおもちゃの顔。気になりますね。

    灯り (4)

    実はプリンが入っていたかわいい入れ物には
    仮止めの時などに使う小釘が入っています。

    インフルエンザ薬リレンザの箱に入れた釘はよくききます(笑)

    灯り (8)

    ゴディバの箱には、セントメ用の材料が入っています。

    灯り (11)

    ティシュペーパーもビルトインです。
    水やボンドをさっと拭き取れます。
    逆さ向きなので、ホコリも積もりません。

    作ってみるとこれがすごく便利で、さらに仕事が楽しくなりました。

    まだまだ、カスタマイズしていく予定です。

    灯り (1)

    花粉のせいではなく、年のせいでした。

     

  • 工房だよりです。
    早いもので、気が付けばもう2月、

    ここ、岸和田の初音の桐箪笥工房も何かと忙しくさ せて頂いております。
    工房 (2)

    工房 (1)

    さて、ここで皆様にお知らせです!

    来る、2月19日(木)から24日(火)まで、

    近鉄百貨店上本町店 9階催会場に於きまして、

    伝統的工芸品展 凄腕職人街 が開催されます。


    凄腕職人街

     

    今年で、第6回目となる恒例の催しですが、
    事前の品出し、準備、搬入搬出作業など職人総出で行う
    工房を挙げての催しでございます。
    会期中会場では、
    専務の田中美志樹、若手の南里が販売説明担当で、

    大ベテランの藤原さんは桐箪笥製作実演を披露してくれます!!

    大阪泉州桐たんすだけではなく、西陣織、京友禅、弓浜絣、清水焼など
    19産地の凄腕の職人たちが集結です。
    普通の職人展とは一味違います。

    皆様、どうぞご来場ください。

    そして、お気軽にお声掛けくださいませ!!

  •  

    正確なこしらえ、丁寧な仕事、美しい仕事。

    初音の桐箪笥つくりには欠かせない言葉ですが、

    それを実行していくには、よく切れる刃物は不可欠です。

    鉋鑿 (7)

    鑿

      

    しかも桐は、国産樹種の中では最も柔らかい木なので

    高いレベルでの切れ味が要求されるのです。

    鉋鑿 (3)

    初音の桐箪笥職人たちは、毎日なにかしらの刃物を研ぎます。

    鉋、のみ、一つではありません、使う用途によって何枚も何本も

    刃を研がなくてはいけません。

    鉋鑿 (4)

    鉋鑿 (2)

    こだわりの砥石を並べてみました。

    人造砥石 (3)

    カラフルです!

    荒砥ぎ(1000番)、中研ぎ(2000~5000)、仕上げの3段階に分かれ、

    その砥石の粒子の細かさで砥石の色も変えられています。

    材質も硬くてヘリの少ないセラミック系の砥石を使用しています。

     

    続いて、仕上げ砥石です。合砥(アワシド)と呼んでいます。

    もっとも粒子の細かい砥石でこの仕上げで切れ味が左右されます。

    合砥石 (2)

    合砥石 (4)

    仕上げ砥石のこだわりは天然石と言う所です。

    下の合砥石の裏の写真をご覧ください

    合砥石 (3)

    山から掘り出した石の感じが見て取ってもらえると思います。

    そして、そのお値段にもみなさん驚かれるのではないでしょうか?

    合砥石 (1)

    天然の仕上げ砥石は、その性質上、
    家具職人も大工さんも魅了されることが多く

    皆さん、自分に合った、刃物に合った砥石を探されています。

    中には、10万円を超えるような仕上げ砥石もたくさんあります。

    鉋鑿 (5)

    人造砥石でも仕上げの物があるのですが、やはりそこは、

    こだわりの桐箪笥職人、

    研いだ感じが違います!

    切れ味も違います!!

    お値段も違うんです!!!

    砥石

    こだわりの砥石のご紹介でした。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

  •  

    この度、当社専務、田中美志樹と伝統工芸士、藤原朋保が、
    平成26年度伝統的工芸品産業功労者、近畿経済産業局長表彰を頂きました。

    去る、11月28日金曜日、ホテル京阪 京都、桜の間に於いて、
    表彰式が行われ、近畿経済産業局長、関総一郎様より
    表彰状並びに副賞の贈呈がありました。

    局長表彰-1

    局長表彰-2

    局長表彰-3

    局長表彰-4

     

  • こんにちは、工房だよりです。

    いつもお伝えしていることですが、
    こだわりの桐箪笥つくりは
    まず、最高品質の桐材を原木、丸太から買い付けることです。

    ari (4)

    しかし、桐の木は、天然、自然のものですから。
    まっすぐな桐材ばかりではありません。
    ゆがんだ物、傷や節
    の多いもの、中にはこんなものもあります。

    ari (5)

    ari (6)

    これは一体何かわかりますか?

    こたえは、下のイメージ図をご覧ください。

     

     

    ari_su

     

    そうです。アリの巣です。
    アリが土の中ではなく桐の木の中に巣を作って
    しまっているんです。

    こればかりは、原木を買い付けに行ったときには、
    外見からは判りません。原木を製材して初めて
    判ります。

    ari (7)

    当然、巣の部分は、使えません(涙)
    その部分を避けての木取りの作業になります。

    ari (1)

    ari (8)

    当然、こんな桐材ばかりでは、困ります。
    しかし、何百本に一本あるかないかの、確率なので
    ご紹介させていただきました。

    天然、自然の桐材とはいえ、
    桐の木の中に巣を作るとは、贅沢なアリですね。

     

  • 「桐たんす 洗い 大阪」

    私共の工房に、洗い替えのお問合せを頂くほとんどのお客様が、

    このキーワードで検索して、当工房のホームページにたどり着いて頂いています。

    先日も洗い替えのご依頼があり、当工房にやってまいりました。

    たんす洗い (1)

    形や仕口から推測すると70~80年前くらいのものでしょうか。

    洗い替えの楽しみと言えば、昔の職人さんの仕事を見て勉強する。

    などありますが、なんといっても私はこれです!

    たんす洗い (2)

    引出しの底にひかれている物、

    が、たまに残っていることがあります。

    たんす洗い (3)

    新聞です。

    この日の新聞は、昭和59年のものでした。

    衣裳を虫干しした時にひきなおしたのでしょう。

    新聞 (9)

    広告が面白いです。VHD?のビデオデッキ

    新聞 (8)

    テレビ欄も懐かしい。ザ!ベストテン!この日は、

    薬師丸ひろ子、チェッカーズ、チャゲアス!!

    9時からは、欽ドン!見た見た!!

    そんな私、実は、古い新聞が入っていた時は取っておくようにしてまして、

    一番古いものは昭和14年、15年の物

    日中戦争真っただ中。

    新聞 (5)

    太平洋戦争中の昭和22年もありました。

    記事も広告も戦時、一色。

    新聞 (10)

    新聞 (14)

    今もやっておられる有名な会社も結構ありますねぇ。

    新聞 (12)

    高島屋の、電球の売り出しも面白いのですが、
    その上の日本酒、悪酔い、二日酔いせず。はあかんでしょ。

    新聞 (15)

    新聞 (3)

    新聞 (2)

    名誉の戦死。ですって…。

    日本もついこないだまで、戦争やっていたんですね。

    考えさせられます。

    昭和47年のも出てきました。

    新聞 (6)

    安倍首相の大叔父、佐藤栄作引退の記事でした。
    泣いてはります。

    何かと不安定な情勢の昨今。
    安倍さんには、しっかりと国のかじ取りをしてもらいたいものです。

    桐たんすの洗いは、政治、経済を見つめなおす楽しみもある。
    と言うお話でした。

  • こんにちは。
    初音の桐たんす工房より発信いたします。

     七夕もすぎ、ここ岸和田も梅雨真っ盛り。
    この時期は、湿度が非常に高く桐たんす造りも非常に
    やりずらい毎日ですが、そこは熟練の桐たんす職人たち
    空を見ながら、ボチボチとやっております…。

     

    さて、今回の工房だよりは、

    一粒、ならぬ

    「一棹、300メートル!」

    300メートルのなんなのか?

     

    答えは、こちら、

    紐-1

    それぞれの職人の仕事場に必ずあります。

    紐-2

    使わないときは、こうやって丸めてしまっています。

    紐-3

    答えは、紐(ひも)です。

    大阪泉州桐箪笥、
    伝統的な桐たんす造りには、
    紐は欠かせません!

    特に桐たんすの木地づくり、
    面材(化粧面)を張り付けるのに使用します。
    紐-8

    接着剤をぬって、キュッキュッと紐で接着します。

    紐-7

    紐-6

    この単純な作業にも熟練の技が要求されます。

    紐-4

    このような大きな面材も張り付けることもできます。

    紐-11

    見習いの頃、あまりに原始的なやり方に大変驚いたものです。

    紐-10

     また、胴丸型の桐たんす天板の オビ という一本物の
    面材を
    貼りつける場合などは、こんなに巻まきです!

    紐-9

    美しい!

    大阪泉州桐箪笥、伝統の巻き方です。

    見習いの頃

    「紐の巻き方でその職人の腕がわかる」

    と教えられたものです。

    あと、衣裳盆を作るときなどにも

    ひもを使用します。

    image

    箪笥一棹を作るのに
    いったいどの位、ひもを使うのかざっくり計算したところ
    箪笥の構造大きさ、にもよりますが、のべ200から300メートル
    の紐を使用します。
    「一棹、300メートル!」
    ちょっとながなが、としたお話でした。

     

  • こんにちは。
    岸和田の桐たんす工房
    「工房だより」更新です。

    隅丸 (7)

    今日は、上戸の框(かまち)の製作をしました。
    上の写真の通り、
    大阪泉州桐箪笥にはよくある、一番上の引違い戸
    の部分です。

    隅丸 (2)

    まずは機械で、このような部材を作ります。
    ここからが手作業!

    隅丸 (3)

    内側の丸みを小刀で、つぃーつぃー、と作り出します。

    隅丸 (4)

    そして、小鉋で丸みを整えます。

    隅丸 (6)

    細紐で巻いて接着。

    隅丸 (7)

    ヤスリとサンドペーパーで仕上げて完成です。

    前回の工房たより、(隅丸鉋現役です
    近からず、遠からず、の内容ですが、
    やはり、こうゆう所が、私たち作り手としては、
    作っていて楽しくもあり、
    皆様に見て欲しいところでもあるんですねぇ。

    隅丸 (9)

    隅丸 (1)

    丸くないものが、丸くなる。
    その瞬間が、たまらないんです。

  •  

    隅丸鉋(すみまるかんな)現役です。

    隅丸鉋-1

    刃も丸くなっています。

    隅丸鉋-2

    衣裳盆の内側の隅を丸めるための鉋。
    で。

    隅丸鉋

    隅丸鉋-3

    こんな感じになって...

    衣裳盆

     こうなります。

    衣裳盆 (1)

    衣裳盆 (2)

    最近では、使うことも、使う職人も少なくなった、
    こだわりの鉋(かんな)のご紹介でした。

標準 特大