昨今 職人足元事情
工房だより、職人の粟田です。
日本の職人の足元と言えば。
やはりぞうりに足袋(たび)
この写真は約40年前に撮影されたもの。
私の父、粟田秀男ですね。
ぞうりは写っていませんが、やはり足袋を履いています。
そう、ここ田中家具製作所でも昔から足袋に草履を履いた職人さんが多かったものです。
仕事が終わったらアテバン(作業台)の上に足袋を脱ぎ捨てて帰る。
そんな光景も思い出します。
そう、なぜか足袋は毎日持って帰って洗濯しない。
父が仕事から帰ってくると足が非常に臭かったのも思い出します。
特にこの時期の足のにおいは秀逸で…、家族で大騒ぎしたものです。
当然、私も自然にこのスタイル
ぞうりはサンダルに。
足袋はソックス足袋に。
においは一切いたしません。
こちらは木地職人、岩本さんの足元
今日は何とも涼しげな
これから海にでも行きそうなスタイル!
普段はちゃんとソックス足袋を履いています。
こちら仕上げ職人 木村さんの足元
いてました!
伝統の足袋スタイル!!
5枚こはぜの白足袋!!
そこにサンダル?のようなウレタン地に
何やら紐でぐるぐると!?
木村さんに聞くと ”ワラーチ“という今、ランナーに注目されている
自作できるランニングサンダルで
元々は、メキシコの先住民族が履いていた物、とのこと。
さすが!!休日はランニングを楽しんでいる、元大工方の木村さん
この新旧のコーディネートにはまいりました。
それでは、なぜ今も昔もこのサンダルスタイルがいいのかご説明。
それはタンス作りの中で、足で桐材を押さえるという場面が多いからです。
ヒモをまくときに足で押さえる。
長い桐材を削る時に足で押さえる
足で、いや、足の指で小さな材を押さえてのこぎりを使う。
このようないろいろなシーンがありまして、
靴のまま、サンダルのまま桐材を踏むと当然汚れたり、
傷がついたりする恐れがあります。
よって、サーッと脱ぎ着しやすいサンダル履きがいいのです。
靴だと鉋くずや木くずなどのゴミが靴の中にたまってしまいますし、
サンダルだとそんなことも気にしなくていい訳です。
よって、伝統の桐たんす作りには、今でも草履に足袋スタイル
改め、サンダルにソックス足袋スタイルがいいんです!!
こだわりの桐箪笥職人
昨今職人足元事情でした。