桐箪笥マイスターのお話

桐箪笥マイスターのお話

  • 今回の桐マイスターのお話しは、「桐の防虫性について、!」です。
    本物の桐箪笥には、以前お話しさせていただいたように、気密性 防湿性がございます、今回お話しさせていただくのは、防虫性のついてのお話しです。

    100%絹で出来たお着物を長年に渡り守るには、この日本では桐の箪笥でしかちゃんと守れる収納家具がございません、(桐の本物の桐箪笥)それは、また桐がもっている防虫性という性質があるからです。

    桐は1回目のマイスターの中でお話しさせていただいたように、木と同じと言う漢字がくっついて桐になっています。木と同じなのですが、木ではない特徴があるのです。
    それは、防虫性なのです。

    ほとんど全ての木(材木)は、酸性の性質です。しかし桐の木だけが、アルカリ性の性質なんです。それはどういう事かといいますと、小さな虫等は、すべて酸性の性質を好みます。ですから普通の木には虫がつきやすいのですが唯一アルカリ性の性質を持った桐には、虫がつきにくいのです。

    昔から桐は虫が付きにくいと言う事を聞いた事があると思います。?
    それはそのはず、このアルカリ性の性質により虫が付かないのです(付きにくいのは、虫が桐を好まない)いい自然の香りの桐には、虫がつきにくいのです。
    ですから桐たんすは昔から防虫性に最も優れた収納家具なのです。

    このアルカリ性の性質を持った材木は桐だけなのです、昔から気密性のある桐の箪笥に入れとけば虫がつきにくく、防湿性があるのでカビの心配がなく安心して使えるように、昔の日本人が考えられた優れた収納家具なのです。

  • 桐たんすは日本の風土が求めた究極の調湿性に最も優れたたんすです。
    先日 気密性についてお話ししましたが、それと関係しますが、桐箪笥には調湿性と言う特徴がございます。

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    気密性に富んだ、本物の隙間のない桐タンスは、呼吸をしています。
    乾いた湿度のない気候では、桐自らが少し小さくなり、引出しと棚の隙間が少しだけ隙間ができて空気の入れ替えを内部と外部で行います。

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    湿度の多い時期には、引出しや扉そのものが膨れて内部と外部を遮断します。

    それが、「本物の桐たんす」 だけが持つ 調湿性なのです。

    ですから 本物の桐たんす に衣類を入れられていたら必ず中の衣類は湿気から守ってくれるのです。

    昔から 「桐たんすは湿度の多い時は自らが湿度を吸い込んで中の着物うを守る」
    と言われておりました。

    ですが今日では

    「桐たんすに着物を入れていたのに、カビがきてしまって、」と言うご相談がございます。

    申し訳ないのですが、それは、桐たんす自体に問題がある場合も多々ございます。
    材料が桐と言うだけでは、気密性や調湿性の全くない 桐たんす が沢山存在するからなのです。

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    今の時代 お客様がきちんと見極め出来ない事にも責任があると思います。
    必ず その道の専門の私どものお話しを少しでも参考にしていただけるように、本当の情報をお伝え出来る工房でありたいと思っています。

     

  • 前回は「桐とは」についてお話しさせていただきましたが、その桐には、桐たんすだけしか持ってない特徴がございます。

    それは、まず本物の職人の桐箪笥は、気密性に最も優れていると言う事です。
    桐たんすほど気密性をもたせた箪笥は他にはございません。

    この様に3つの引出しの回りも全く隙間がない事がご覧いただけるとおもいます。

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    いい桐箪笥(本物)は、1つの引出しを入れれば別の引出しが開いてきます。
    開け閉めがしにくいかもしれませんが、

    この様に気密性が高い桐箪笥が私どもが目指している最も良いこだわりの桐箪笥なのです。

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    その気密性は気候や天気によっても変わっていきますが、桐たんすの職人にとっては、引出しの調子を見る上では一番重要な作業の一つです。

    桐たんすの桐は木材としては柔らかく一般的に良く加工しやすいと言われていますが、
    実は全くそうではなくて、すごく加工(調節)が最も難しい木材が桐材なのです。

    柔らかい材料ほど良くカンナの刃を砥石で研がなくてはなりません。

    人造砥石 (2)

    桐箪笥を作るには、これだけたくさんの鉋(カンナ)を使分けて職人が桐箪笥を作りあげるのです。

    鉋鑿 (2)

    またこれだけの多くの砥石を使い分けて研いでいきます。時間もかかり何回も研がなくてはなりません。桐箪笥の職人だけの根気のいるこだわりの作業です。
    でもそれが桐箪笥の職人の誇れる技です。

    人造砥石 (3)

    使う鉋(カンナ)の刃を良く研いでなければ、やわらかな桐材に薄くカンナをかけれません。
    もちろん鉋(カンナ)の台の調節も大切です。
    これは大工さんも木の仕事をされている方なら皆さん分かっていただけると思います。

    こうする作業により このように桐を薄く削れる鉋(かんな)になります。
    気持ちいいほど薄く削れます。さすが桐箪笥の職人です。

    鉋鑿 (7)

    熟練の大工さんでも桐のような柔らかい材料を丁寧に調節して削っていく作業はやりにくく、
    ほんまもんの桐箪笥の職人だけが持つ凄い技術なのですよ。

    このような作業でお作りされた気密性のある桐箪笥に収納されるお着物は何十年何百年と守る事ができます。

    でも現在では、作業効率や利益率など追及する工房ばかりで、この様な作業を簡素化している工房や職人さんが多くなってきました。
    でも私どもは、なんとかしてもこの技術を残していきたいと、粗悪な桐箪笥をお作りしている会社といつも戦っています。(価格で負けそうになりますが・・・)ほんまもんの職人の思いをお伝えたいです。

    今売られている桐箪笥で引出しや扉に大きな隙間があるような桐箪笥は、日本製ではなくすべて中国や海外で作られた偽桐箪笥と呼ばれるものです。(表示だけ日本製)

    そのような桐箪笥は桐の役目を果たさないものだと皆様が知っていただければ幸いです。

  • 私どもがいつも大切に桐箪笥に使わせていただいている桐について、この度「桐箪笥のマイスターのお話し」と言う新コーナーをお作りさせていただきました。

    先日お客様との会話の中でそのようなコーナーを作って下さいとの要望をいただいたので、早速はじめさせていただくようにしました。

    私自らを「桐箪笥マイスター」として、桐箪笥のプロがお話しする知識と情報が沢山詰まったコーナーとして育てていきたいと思っています。
    私が今まで経験した桐に関する知識(プロの)お話しとして月に何回かのペースで掲載させていただきます。

    この内容は、私どものホームページがある限り残していける事が出来ますね。
    是非皆様ご購読いただければ有難いです。

    第1回目は、「桐とは」桐についての事をご紹介させていただきます。

    桐の花

    桐は木の仲間と言うよりは、草の仲間なのです。「草であって、木と言う不思議な木です。」
    だから昔の人は「木と同じ」と言う意味で、桐と言う漢字を命名したのでしょうか!
    そうであれば、ものすごくすごい事でしょう。どれだけ先代の日本人が賢かったかが分かります。

    桐の木

    桐は、ゴマノハグサ科に属する落葉樹の植物で、本来は草本で低木が一般的です。
    しかし 桐の木だけが特別に木のように大きくなります。10~15メーター以上の高木に15~20年かけて成長いたします。

    桐の木の断面

    原木の幹の中心部分に穴が開いているのが特徴で、地中の水分を良く吸収して成長するのが早いのが特徴です。
    ただし良質な緻密な桐タンスの前板の良い材料になるには、60年~80年はかかります。
    そのぐらいの細かな桐材は、いまでも原木で1本何百万もしますが、年々数が少なくなってきておりものすごく貴重です。

    桐の花

    桐の花の拡大写真

    成長すれば4月から5月中頃に薄紫の葡萄の房のような形をした花を天に向かって咲かせます。花を天に向かってさかせる事も桐の特徴です。

    日本では昔から鳳凰が住む木とも言われ最も大切にされてきました、桐材としては、弥生時代からと言われ神社 寺院 宮廷で使われるようになりました。

    日本では、最も高級な箪笥に向く材料として加工されてきました、日本人にはかかせない縁のある木なのです。

    桐の紋用

    皇室では菊と桐の紋章が皇室専用の家紋として衣類はもとより多くの文様が使われきました。

    桐の文様

    その後室町幕府以後は、天皇よりの限られた武家に使用が認められるようになり
    戦国時代からのちは、政権担当者の紋章として使われるようになりました。

    現在では、日本国憲法憲制下の日本政府(内閣)は桐の紋章を用いています。(皇室でも使用されています。)

     日本政府の桐の紋章

    それだけ日本人にとって、桐は菊とともになくてはならない花(木)なのです。

    花言葉は、高尚(こうしょう)・・・知性や品格が高く上品なこととされています。
    花言葉そのものも桐の高貴な特徴を表しているなんて・・・・・・

    桐とは、本当に古来から日本人に好まれた最高の材料なのです。この桐のお仕事に携われている私達は本当にその意味を心にしっかり心に刻み込むべきです。
    日本の桐を大切に使い、本当に良いほんまもんの桐箪笥を後世に残す努力をすべきです。

    今日お金儲けのみを優先している同業者様、もう1度「桐とは」の原点に帰って欲しいと願うばかりです。

    日本の「桐とは」最高の材料なのです。

    その桐の素晴らしい特徴については、また次回このコーナーでご紹介させていただきます。

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